ボクは、大学まで見知りで、人と話すときに、緊張して発声すらまともにできませんでした。
しかし、4年前、ゲーテに出会い、人と関わることが大好きになりました。
ゲーテの著作には人生を楽しく生きる方法がたくさん書かれています。
今日は、ゲーテ格言集 (新潮文庫)から「人間」と「愛」についての名言を抜粋します。
ゲーテ
ゲーテ〖Johann Wolfgang von Goethe〗
(1749〜1832)ドイツの詩人・作家。「若きウェルテルの悩み」などで、シュトゥルム-ウント-ドラング(疾風怒濤)運動の旗手として活躍。戯曲「ファウスト」「エグモント」、叙事詩「ヘルマンとドロテーア」、小説「ウィルヘルム-マイスター」、自伝「詩と真実」、自然科学論集「色彩論」など。出典:大辞林 第三版
人間とは
確かにそれは人間だ
碑銘ーーーー
少年のころは、打ちとけず、反抗的で
青年のころは、高慢で、御しにくく、
おとなとなっては、実行にはげみ、
老人となっては、気軽で、気まぐれ!
君の墓石には固執されるだろう。確かにそれは人間であったのだ。
ここに人間の一生が詰まっています表現されています。
これはわたしのお気に入りのフレーズです。
人はいつだって現状に満足しない
完全は天ののっとるところ、完全なものを望むのは、人ののっとるところ。
より良いものを望むのは人間の性です。
現状に満足することなく、常に良いものを求めていく。その性質が、文化・技術を発展させました。
ニーチェは人間が自分を良いしていく、可能性を広げていく活動を権力の意思といいました。
求めすぎてはいけませんが、求めなさすぎもいけません。できることを広げ、少しずつ良くしていく、それがちょうど良いです。
▽ニーチェの「ツァラトゥストラはこう言った」の新訳です。
コンパクトなサイズ感ながら読みやすい本です。
やったこともないのに、できると思う
人間が、かつてできたことを今でもできると考えるのは、きわめて自然である。未だかつてできなかったことを、できると思う人があるのは、いかにもおかしいが、珍しいことでは無い。
前できたことを、今でもできると思います。
しかし、やったこともないのに、できると思っている人もいます。
何を面白いと思うか、それがその人らしさ
人間は、何を滑稽だと思うかということによって、何よりもよくその性格を示す。
何を面白いと思うか、そこにその人の人間性が表れます。
また、笑いのツボが同じ人とは相性が良いでしょう。
人は尊敬するもの、愛するものからしか学ばない
人は愛するところのものだけを知る。知識がより深くなり、完全にならなければならないほど、愛、いな情熱はいっそう強く、強力に、生き生きとならなければならない。
ここの愛するとは、あるものに対して興味、関心、情熱があることを言います。
これらの感情を持つためには、そのものに尊敬がなければなりません。尊敬しないものに興味、関心、情熱を向けられないからです。
愛、そして恋人
愛とは、いつまでも好きと言えること
いつも変わらなくてこそ、ほんとの愛だ。一切を与えられても、一切を拒まれても、変わらなくてこそ。
恋愛と情熱とは消え去ることがあっても、好意は永久に勝利をつけるだろう
振られてもその人を好きだと言える。別れてもその人を好きだと言える。女性として見られなくなっても、好きだと言える。
私は今まで付き合った女性がいまでも好きです。
それは未練ではなく、人間として純粋に尊敬をしているからです。「好きと思わせてくれてありがとう」と思っているからです。
お前の努力は愛の中にあれ、お前の生活はおこないであれ。
大切な人のために行動をする。言葉だけでなく行動で示す。
▽ヘルマンとドロテーアはゲーテの恋愛観を味わえる短編小説です。ゲーテの小説入門としてもっともおすすめです。
恋人の欠点も愛する
愛人の欠点を美徳と思わないほどの者は愛しているとは言えない。
理想を押しつけに過ぎないからです。
▽若きヴェルテルの悩みでは既婚者を好きになってしまったゲーテの葛藤が表現されています。
人間であることが許されないほど腹だたしい事はない。
人間とは欠陥がある生き物やミスをする生き物です。
そういうだめなところ、失敗するところは、面白くて愛らしいです。
単調なものの連続では飽きてしまう
いつも同じ花ばかりなので、花よりほかの何かをお送りすることができたら、と思います。しかし、それは愛についてと同じことで、愛もまた単調なものです。
変化が必要です。
同じものは飽きてしまいます。非日常的なイベントなど入れていきましょう。刺激があるとより楽しいです。
人生を刺激的に過ごすためには「やったことないことをやってみる」を毎日取り入れる必要があります。
相手が自発的に動くように我慢するためには愛がいる
自発的に頼るというのはこの上なく美しい状態である。そしてそれは愛なくして、どうして可能であろう。
人が変わる。それは時間がかかることです。
相手が自分から動こうとおもうまでには、長い時間がかかります。我慢が必要です。
そんな我慢ができる相手は、好き人でなければ不可能でしょう。
▽教える技術を科学的に学べる本の漫画版です。わかりやすくて科学的なのでおすすめです。
楽しく生きたいなら意識を変える
なんてことないものに意識を向ける
太陽が照れば塵(ちり)も輝く。
わたしたちが生活しているこの世界は、たくさんの物にあふれています。
道ばたに落ちている、ただの石。
これは詳しい人から見れば興味深い対象です。画家の手にかかれば絵のモティーフになります。芸術へと昇華できます。
なんてことない雑多なものに、太陽のような情熱の視線を向けられるようになりましょう。
▽子供のような初心に戻れる本。子供の頃は見るものすべてが刺激的で新鮮であった。
なんてことない日常を映画のワンシーンのように切り取ってみましょう。
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他人の失敗を愛する
人間の過ちこそ人間を本当に愛すべきものにする。
論語にも、人は、その人らしく失敗するという言葉があります。その人間性、性格は失敗をしたときに現れます。
そして、他人の失敗はかわいいものです。愛らしいものです。
また、自分が失敗をしたときは、反省をし、成長することができます。
性格は努力で変えられる
人間は、生来のものであるばかりではなく、獲得されたものでもある。
人間は、生まれながらに持っている性質(才能)だけでなく、自ら努力による修養によって立派な人格が作られます。
努力をすれば、自分を変えることができます。
他人に興味を持つ
人間こそ、人間とって最も興味あるもので、おそらくはまた人間だけが人間に興味を感じさせるものであろう。
各個人に、彼を引きつけ、彼を喜ばせ、有用だと思われることに従事する自由が残されているが良い。しかし、人類の未来の研究対象は人間である。
人間が1番興味を持つものは人間である。「人間」を深く研究しましょう
▽NLP(神経言語プログラム)の観点から、聞き方を解説した本。簡単に書かれているのもGood
精神を立派にするには、時間がかかる
徳を得るには 節度を保ち、不自由を忍ばねば、手に入れることのできぬものもあります。徳はそれだと申します。徳とは縁続きの愛も同様です。
人が成長するには、時間がかかります。人間的に立派になるためには、不自由を克服する、耐え忍ぶことが求められます。
節度を保つ。生活を律する
節度を保ち、不自由を忍ばねば、手に入れることのできないものもあります。徳はそれだと申します。徳とは縁続きの愛も同様です。
人格、精神の成長には時間がかかります。生活を律して、行うべきことを行う。
成果を上げたいなら行動をしよう
すぐに行動をする。
人間は、なんと知ることが早く、行うことの遅い生き物だろう!
知っているだけではダメ。知った後に何をするかが大事です。変化をするためにはとにかく行動が必要です。
あれこれ考えずに、まず行動をする。行動をすれば、やることが明確になります。現代では多動力が大事でしょう。
考えすぎるのは良くない
何をそんなに考えていらっしゃるんでしょう。人間は決して考えてはなりません。考えると歳をとるばかりです。
…人間は1つのことに執着してはなりません。そんなことをすると、気が変になります。われわれはいろいろなことを雑然と頭の中に持っていなければなりません。
考えることは大事です。しかし、考えすぎるのは良くありません。ただ時間が過ぎ去っていくだけでです。
行動することが大事です。過去を憂い、未来に嘆くのではなく、目の前の現実に足をつけて歩きましょう。
努力を続ける
なんじ終わりえないことが、なんじを偉大にする。
あきらめずに努力を続ける。それがあなたを偉大にします。
後世に残る遺物を世に残す
また「終わりえない」「偉大さ」は、生産性についても言えます。
「終わりえない偉大さ」とは、その人が死んでもずっと残り続けるほど、価値を生み出すほどの生産性です。
シェイクスピアは400年前に亡くなっていますが、いまだに読み次がれています。そしてこれからも読まれていくものでしょう。
後世に残るものを残しましょう。
▽古典には何千年残るだけの偉大なる精神が散りばめられています
1つのことに力を集中する
考える人間の最も美しい幸福は、極める得る極めてしまい、極め得ないものを静かに崇めることである。
人生で極めることができるものは限られています。
力を集中させて、ほかに対しては口を出さない。これが賢い生き方です。
▽大事なことだけに集中する「フォーカルポイント」を定める。1000冊分のビシネス書のエッセンス・ノウハウが凝縮された本
能力のある人を、世間は放っておかない
能のあるものは、そっと黙っていいよ。そっとしておいてもおのずから現れてくる。
「みんなに認められない」と嘆かず、ひたすら自己を高める。
能力の高い人を放って置くほど世間は盲目ではありません。論語にも似たような記述があります。
▽論語を物語調に書いた本。古い本だがおすすめ。
その他
直感は正しいのか?
感覚を欺かない。判断が欺くのだ。
考えることは大事です。しかし自分の感情・感覚・感性も大切にしましょう。
▽直感と思考を行動経済学の観点から解説した記事です
世界はかならず2つの要素で構成されている
世界は常に昼の側と夜の側と思っているだろう。
物事はいい面とわるい面の両面あります。 何がわるいかを知らなければ、何がいいかの判断ができません。
▽三島由紀夫の不道徳教育講座は不道徳の観点からユーモラスに道徳を説いていくエッセイです。おすすめです。
すべてに公平ということはすべてに不公平ということ
あらゆることにおいて公平であるという事は愚かしいことである。それは自我を破壊するというものである。
あらゆるものを公平に見られている、 差別なく見られているとも言えるのですが、楽しくありません。何に対しても興味が無いからです。
あなたの好きなこと、楽しいことを意識して生きましょう。
理想を追求する
人間は、宗教的である間だけ、文学と芸術において生産的である。
人は、理想を求めているとき、目標に向かっているとき、頭のなかのイメージを形にしようとするときに、大きな力を発揮できます。
未来を想像しているとき人は最も頭が活性化するのです。
逆に、未来をイメージしなくなったときに人間の感情は老化します。詳しくは「えっ?老化は身体だけじゃない?(感情が老化する3つの理由。感情を老化させないための3つの方法)|Time Hacker」をどうぞ。
信仰は、見えざるめねの愛、不可能なもの、ありそうにないものへの信仰である。
ほとんどの宗教は死後の世界について語っています。
死後の世界で報われる。死後の世界ではより良い生活が待っている。現世で慎ましく生きれば天国にいける。生まれ変わる。そういう教えです。
これらは私達が、どんなに探求しても知ることができなことです。
その不可能に対する希望、絶対に知ることができないことに対する精神的な活動。それを信仰といいます。
▽ニーチェの「道徳の系譜額」では宗教がどのように「生まれ」「利用」されてきたのかが解説されています
人間関係の極意は自分を殺すこと
われわれの処世術の本領は、生存するためにわれわれの存在を放棄するところにある。
処世術とは「生きてゆく術策。世渡りの術」のことです。
人間関係においては、相手から好かれる技術」です。相手の話を聞けば聞くほど、相手は自分に対して親密感・信頼感をもつ「好きになる」。
「クロージング効果」を応用した心理術があります。相手に好意を持ってもらうためには、話を聞く必要があります。
さらに、自分の話ばかりすると学びが減ります。自分の話をすると、相手は聞き手に回ります。相手の話を聞かないとも言えるのです。
賢人は常に学ぶ。
相手を尊重し、話をしっかり聞きましょう。
▽「プルタルコスの饒舌について」では喋りすぎることは良くないということについて面白く書かれてます
目標を持って生きよう
大きな必然は人間を高め、小さな必然は人間を小さくする
大きな必然とは夢や長期的な目標のことです。
小さな必然とは目先の欲求のことです。人間を高めるために、目標・目的を持って生きましょう。
▽目標・夢の設定をするのであれば7つの習慣がオススメです
心の傷は治らない
運命は深い傷を負わせるものですけれど、たいていは治ります。心ない人の心に負わせた傷、心が自分に合わせた傷は、治らないものです。
自分の過去の失敗を引きずることがあります。それは成長することで克服できます。
しかし他人から受けた傷、いじめによって傷つけられた心は、なかなか治ることがありません。
希望があれば未来も明るい
最悪の日に生まれたものには、悪い日も心地よいであろう。
最も悪い日に生まれる。これから先はいいことが待っています。希望があります。 未来が明るいのですから、心待ちはいいものです。
考え方、解釈の仕方によってはいくらでも良いふうに考えられます。
天国にいけた、でも一人だけだったら?
天国にひとりでいたら、これより大きな苦痛はあるまい。
人はひとりでは生きていけません。どんなに心地よい場所で、そこに一人でいたならば退屈でしょう。
仕事について
仕事の圧迫は心にとってきわめてありがたいものだ。その重荷から解放されると、心は一段と自由に遊び、生活を楽しむ。
仕事をせずにのんびりしている人間ほどみじめなものはない。そんな人はどんなに美しい天分もいとわしく感じる。
仕事があるから遊びが楽しい。休暇が楽しい。毎日毎日が休みで、することがなければ退屈でしょう。仕事は喜びでもあるのです。
そう言っても仕事が辛い人もいるでしょう。それならばゲーム化するといいでしょう。
そこで参考になるのが私も実践している「スーパーベター」を目指すこと。
スーパーベターとは、「ゲームをするように楽しく生きること」。ストレスフルな時代をゲーム科学を応用して楽しく生きること。
▽参考になる動画。スーパーベター考案者「ジェイン・マクゴガニル」本人によるTED
仕事は仲間を作る。
仕事は必ず誰かと関わりがあります。
スーパーベターでも仲間の存在の重要性を説いています。
スーパーベターになろう!──ゲームの科学で作る「強く勇敢な自分」 (早川書房)
おわりに
時の洗礼を受けても流されない言葉には力があります。
頭の中にあるモヤモヤした感情を的確に表現してくれます。
言葉の力で頑張ることも出来ます。明日を乗り切ることが出来るでしょう。
ゲーテ格言集から、気に入った言葉を、あなたの心の本棚に並べてみてください。
私は何万冊という本に目を通してきましたが、一番影響を受け、一生読み続けるだけの価値があると言える本が1冊だけあります。
▽それが「ゲーテとの対話」です。